ごはんコラム「おいしいごはん」

ごはんコラム「おいしいごはん」

秋元 薫さん

料理研究家/ごはんソムリエ/米・食味鑑定士

こんにちは。料理研究家の秋元です。
自分の一番好きな食材はなんだろう?と考えた結果、「お米」にたどり着きました。専門的なお米の資格を取得してからは、お米コンテストの審査員や炊飯器メーカーさんの食味に伺うこともあります。
そして、料理家としては、雑誌や書籍で家庭料理を紹介する機会もたくさんあります。プライベートでは、男の子と女の子の双子のお母さん。そんな忙しい毎日の中で、「釜炊きごはん、おいしい!」という子供たちの声に耳を傾けながら、日々ごはんと向き合い、活動しています。  

サイト/ http://www.k-kamado.com

ごはん鍋で炊飯する魅力

ごはん鍋でごはんが出て来たら、自然に嬉しい気持ちになりますし、うわぁ美味しそう!と思いますよね。でも、炊飯器で炊いたごはんとごはん鍋で炊いたごはんの違いが、どこにあるか分かりますか?
私が圧倒的に違うと感じるのは、口に入れた後のごはんのほぐれ具合と食感。これは一度味わったら、記憶に残る味わいです。

沸騰した後、火を切っても沸騰し続けるほどの蓄熱性を持つごはん鍋。これにより、甘く、ふっくら、ハラリとほぐれる粒の立ったごはんが炊けます。是非、ここに注目してごはんを召し上がってみてください。

そして、私は10年ほど炊飯器なしの生活を送っていましたが、双子の子供達が生まれてからは、炊飯器も平行して使っています。朝のお弁当は炊飯器のタイマーを使って、週末は家族揃ってごはん鍋で炊きたてを。そんな風に気負わず、楽しみながら使い分けるスタイルが、今の私には合っています。ごはんの炊ける香り、蓋を開けた瞬間に湯気からのぞくツヤツヤのごはん。今日のごはんは・・そんな話を楽しみながら、ごはん鍋を囲んでいただきたいなと思います。


ちょこっとお米の話

\ もっとお米を楽しむためにこんなことをやっています /

2つ3つ小袋で買っている

普段どんなお米を食べていますか?ということもよく聞かれるのですが、産地から取り寄せたり、小袋で購入をして、大体2~3種類を常時楽しんでいます。少々割高でも、食べたことのない銘柄は3合パックで購入したり、店舗の他、ネットも活用しています。


銘柄によって浸水時間を変えている

同じお米を最大限おいしく食べようと思ったら、浸水はとても重要。でも、実は銘柄によって吸水時間も違うんです。モチモチとした食感で人気のある低アミロース米や大粒で人気の「龍の瞳」などは、浸水なしでもOK。こういった銘柄を1つ常備しておくと、時間がない時も美味しいごはんがいただけますよ。


水分量調整/目盛り

ごはんを炊く上で、水加減と火加減も大切なポイント。ごはん鍋には、水加減の目盛りがついているので、こちらを基本に低アミロース米や寿司めしは少し控えめの水加減で炊飯しています。


秋元薫さんの「ごはん鍋レシピ」

吹こぼれがなく、美味しく炊ける基本の玄米ごはん

玄米ごはん

材料

3合鍋5合鍋7合鍋
玄米2合3合5合
600cc900cc1500ccc
1つまみ2つまみ3つまみ

作り方

  • 玄米を研いでボウルに入れ、分量の水に一晩(最低2時間・できれば半日)浸す。
  • 1をごはん鍋に移し、塩を加えて炊飯する。
     
  • <炊飯時間>
    【3合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→トロ火30分→蒸らし15分
    【5合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→トロ火30分→蒸らし15分
    【7合鍋】沸騰するまで強火10分→弱火〜トロ火30分→蒸らし15分〜20分

子供も大好きな、お弁当にもぴったりな炊き込みごはん

とうもろこしと枝豆のカレーピラフ

材料

3合鍋5合鍋7合鍋
2合3合5合
コーン(冷凍可)50g75g125g
えだ豆(冷凍可)50g75g125g
ベーコン2枚3枚5枚
バター10g15g25g
粉末ブイヨン大さじ1大さじ1,1/2大さじ2,1/2
カレー粉大さじ1大さじ1,1/2大さじ2,1/2
小さじ1/2小さじ3/4小さじ1
400cc600cc1000cc
*えだ豆は豆のみの量

作り方

  • ベーコンを5mm幅に切る。
  • ごはん鍋に研いだ米、調味料、水を加えて混ぜ、30分浸しておく。
  • とうもろこし、えだ豆、ベーコン、バターを乗せて炊飯する。
     
  • <炊飯時間>
    【3合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→弱火3分→蒸らし15分
    【5合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→弱火5分→蒸らし15〜20分
    【7合鍋】沸騰するまで強火10分→弱火7分→蒸らし15分〜20分

エスニック風味の簡単炊き込みごはん

あさりごはん

材料

3合鍋5合鍋7合鍋
2合3合5合
あさり200g300g500g
長ねぎ1/3本1/2本1本
しょうが10g15g25g
ナンプラー大さじ1大さじ1,1/2大さじ1,1/2
日本酒大さじ1大さじ1,1/2大さじ2,1/2
水 *400cc600cc1000cc
香草適量適量適量
*あさりは砂抜きしたもの
* 調味料と合わせた容量

作り方

  • 長ねぎは粗みじん切り、しょうがは薄切りにする。
  • ごはん鍋に研いだ米、調味料と合わせた水を加えて混ぜ、30分浸しておく。
  • ねぎ、しょうが、あさりを乗せて炊飯する。
     
  • <炊飯時間>
    【3合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→弱火3分→蒸らし15分
    【5合鍋】沸騰するまで強めの中火10分→弱火5分→蒸らし15〜20分
    【7合鍋】沸騰するまで強火10分→弱火7分→蒸らし15分〜20分

コトコトじっくり、箸で切れる柔らかさです。ごはん鍋で作ってそのまま食卓に出せるお料理です。

やわらか煮豚

材料

3合鍋
豚スペアリブ500g
長ねぎ1本
しょうが2片
にんにく2片
<煮汁>
紹興酒100cc
砂糖大さじ3
しょうゆ50cc
ひたひた
五香粉(あれば)小さじ1/2
*紹興酒がなければ日本酒で代用可

作り方

  • 長ねぎは5cmのぶつ切り、にんにく、しょうがは薄切りにする。
  • 1と煮汁の材料をごはん鍋入れて強火にかける。
  • 煮汁が沸騰したら、豚肉を加えてアクを取り除き、蓋をしてトロ火で1時間煮る。
  • 火を止め、30分余熱で火を通す。